オバマが知られたくないイスラム国についての26項目
ByProf. Michael Chossudovsky
Global Research, November 19, 2014
アメリカが先導するイスラム国に対する戦争は、大ペテンである。
“イスラム主義テロリスト”を追撃し、“祖国アメリカを防衛する”ために、世界的に先制攻撃を仕掛けるのは、軍事計画を正当化するための方便である。
「イラクとレヴァント(地中海東岸)イスラム国」(ISIL)は、アメリカ情報局が作ったものである。イラクとシリアにおけるワシントンの「反テロリズム計画」は、テロリストを支持することにある。
2014年6月に始まったイスラム国(IS)軍団のイラクへの侵攻は、米、NATOおよびイスラエルによってひそかに支持された、細心な計画による軍‐情報部作戦の一部である。
反テロリズム命令というのはフィクションであり、アメリカはナンバーワンの“テロ支援国家”である。
イスラム国は、アメリカとその同盟国によって保護されている。もし彼らがイスラム国の軍団を壊滅させたければ、彼らは、その護送団がトヨタのトラックで、この6月、シリアからイラクへ砂漠を横切ったときに、“絨毯攻撃”によってそれができたはずである。
シリア‐アラビア砂漠は(下の地図でわかる通り)遮るもののない領域である。最新式のジェット戦闘機(F15, F22, Raptor, CF-18)によって――軍事的観点から見れば――短時間で好都合な、掃討作戦になったはずである。
この論文で我々は、この大きなウソを論駁する26項目を取り上げる。メディアはこれを人道的行動だと言っているが、この大規模なシリアとイラクに対する軍事作戦は、無数の市民の死を招く結果になっている。
反テロ作戦だというオバマの行動を支える、西側メディアの揺るがない支持が、もしなければ、これは不可能だったはずである。
アルカーイダの歴史的起源
1.ソビエト‐アフガン戦争の盛んだった頃から、アメリカはほとんど半世紀の間、アルカーイダとその友好的な諸組織を支持してきた。
2.CIAの訓練キャンプが、パキスタンに設置されていた。1982年から1992年の10年間に、43のイスラム諸国から、ほぼ3万5,000のジハーディストがCIAによって徴集され、
アフガン聖戦(ジハード)部隊で戦った。
「CIAの基金から支払われる広告が、世界中の新聞やニュースレターに載せられ、聖戦への参加の呼びかけと動機づけが行われた。」
3.レーガン政権以来ワシントンは、イスラムのテロ・ネットワークを支持してきた。ロナルド・レーガンはテロリストを“自由の戦士”と呼んだ。アメリカはイスラム軍団に武器を供給した。それはすべて“立派な大義”のためだった。すなわち、ソ連と戦い、政権を転覆して、アフガニスタンに宗教的政権を樹立させることだった。
ロナルド・レーガンが1985年、ホワイトハウスで、アフガンのムジャヒディーン司令官たちと会見している。(Reagan Archives)http://www.reagan.utexas.edu/archives/photographs/atwork.html
4.ジハーディスト(聖戦士)の教科書はネブラスカ大学によって出版された。「アメリカは、暴力的な絵や、戦闘的なイスラムの教えに満ちた教科書を、アフガンの子供たちに供給するために、何百万ドルをも費やした。」
5.アメリカにとって怖い怪物であり、アルカーイダの親玉でもあるオサマ・ビン・ラディンは、アメリカの援助による、アフガニスタンへの聖戦初期の1979年、CIAによって徴兵された。彼はその当時22歳であり、CIAの援助するゲリラ訓練キャンプで訓練を受けた。
アルカーイダは9・11攻撃の背後にはいなかった。2001年9月11日の事件は、アフガニスタンが、アルカーイダを支援するテロリズムの国家スポンサーだという根拠で、アフガニスタンに対して戦争を行う正当な理由を与えた。9・11攻撃は、“テロに対する地球的戦争”という公式化の動機となった。
イスラム国(ISIL)
6.イスラム国(ISIL)は元々、アメリカの情報部によって作られた、アルカーイダに友好関係をもつ存在であった。それを援助していたのは、イギリスのM16、イスラエルのモサード(Mossad)、パキスタンの部局間情報局(Inter-Services Intelligence)、サウディアラビアの総合情報最高機関(General Intelligence Presidency, GIP)であった。
7.ISILの軍団は、米‐NATOに支援された、バシャール・アル・アサド政権に対する反乱に参加していた。
8.2011年3月のシリア反乱の当初から、NATOとトルコ最高司令部は、ISILとアルヌスラ(Al Nusrah)傭兵の徴集を行っていた。イスラエルの情報筋によれば、これは次のような方法によるものだった――
「中東諸国とイスラム世界から、シリアの反乱軍と共に戦うための、数千人のイスラム志願兵を入隊させるキャンペーンを行う。トルコ軍がこれらの志願兵に兵舎を提供し、彼らを訓練し、確実にシリアに進入させる。」(DEBKAfile, NATO to give rebels anti-
tank weapons, August 14, 2011)
「オバマよ、私は、シリアのお前のアルカーイダ反乱軍のために兵を配備するつもりはない。民衆よ、目覚めよ。」
9.ISILの軍構成員の中には、西側の特殊部隊や西側の諜報作戦部隊が含まれている。イギリス特殊部隊とM16は、シリアのジハーディスト反乱軍の訓練にずっと関わっている。
10.西側の軍事スペシャリストが、ペンタゴンと契約して、化学兵器の使い方についてテロリストを訓練してきた。
アメリカといくつかのヨーロッパ同盟国は、防衛請負業者を使って、シリアの反乱兵たちに対し、シリアで、どのように化学兵器を安全に貯蔵するかの訓練をしている、とある米高官と高位外交官は、日曜日、CNNに語った。(CNN Report, December 9, 2012)
11.ISILの首刎ねの風習は、米スポンサーによるテロリスト訓練プログラムの一部で、サ
ウディアラビアやカタールで実行されている。
旗印のCIAの文字に注意
12.アメリカの同盟国によって徴集されているISIL傭兵の大多数は、サウディの刑務所から、ISILに加わるという条件で釈放された、有罪判決を受けた犯罪者たちである。サウディの死刑囚たちが、この恐怖の軍団に加わるように募集された。
http://www.globalresearch.ca/saudi-arabia-death-row-inmates-sent-to-fight-assad-in-syria/5349416
13.イスラエルは、ゴラン高原のISILとアルヌスラ部隊を援助してきた。
http://www.globalresearch.ca/israeli-military-support-to-syria-al-qaeda-terrorists-operating-out-of-the-golan-hights/5369619
ジハーディスト戦士たちは、IDF(イスラエル防衛軍)の高官や、ネタニアフ首相にも会っている。IDFの高級将校は、“シリア内部の地球的ジハード要素”(ISILとアルヌスラ)はイスラエルによって支援されていることを、暗黙の裡に認めている。
上の写真で、イスラエル首相ベンヤミン・ネタニアフ(手を差し伸べている)と防衛長官
Moshe Ya’alon(首相の向かって右)が、2014年2月18日、ゴラン高原のシリアとの国境沿いにあるイスラエル野戦病院に、負傷した傭兵を見舞っている。
シリアとイラク
14.ISILは、西側軍事同盟の歩兵である。彼らの口に出せない命令は、アメリカというスポンサーのために、シリアとイラクに大混乱と大破壊をもたらすことである。
15.米上院議員ジョン・マケインは、シリアで、ジハーディスト・テロリストの指導者に会っている。
16.イスラム国(IS)の民兵団は、現在、“反テロリズム”命令のもとに、米‐NATOの爆撃キャンペーンの的とされているが、彼らは相変わらず、ひそかにアメリカの支援を受けている。ワシントンとその同盟軍は、イスラム国に軍事援助を与え続けている。
17.アメリカと同盟軍の爆撃は、ISILを狙ってはいない。彼らは、工場や石油精錬所を含めた、イラクとシリアの経済的インフラストラクチャーを爆撃している。
18.ISのカリフ(教主)国プロジェクトは、長く続いているアメリカの対外政策アジェンダの一部で、これは、イラクとシリアを、別々の領域――スンニ派イスラム主義カリフ国、アラブ・シーア派共和国、クルディスタン共和国――に分けて作り直そうとするものである。
テロリズムに対する地球的戦争
19.“テロリズムに対する地球的戦争”は、“文明の衝突”、競合する価値と宗教間の戦争とされているが、現実には、戦略的かつ経済的な目的によって導かれた、明らかな侵略戦争である。
20.アメリカの援助によるアルカーイダの恐怖軍団は、(ひそかに西側情報機関に支えられて)マリ共和国、ニジェール、ナイジェリア、中央アフリカ共和国、ソマリア、およびイエメンに展開されてきた。
マイケル・チョスドフスキー著、『アメリカの“テロに対する戦争”』
中東、サブサハラ・アフリカ、およびアジアの、これらのさまざまな親アルカーイダ軍団は、CIAをスポンサーとする“情報部資産”である。彼らは、混乱を起こし、内紛をつくり出し、主権国家を不安定化させるために、ワシントンによって用いられている。
21.ナイジェリアのボコ・ハラム、ソマリアのアル・シャバブ、リビア・イスラム主義戦闘グループ(2011年にNATOに援助された)、イスラム主義Maghrebのアルカーイダ、インドネシアのJemaah Islamiah――こうした親アルカーイダのグループは、ひそかに西側情報機関によって支援されている。
22.アメリカはまた、中国の新疆ウイグル自治区の、親アルカーイダ・テログループをも支援している。その根底にある目的は、中国西部の政治的不安定化を引き起こすことである。
中国のジハーディストたちは、“中国で攻撃を行うために”テロリスト訓練をイスラム国から受けたのだと言われている。これら中国に本拠をもつ(アメリカの利益のために働く)ジハーディスト・グループの宣言している目的は、中国西部にまで及ぶイスラム・カリフ権を樹立することである。(Michael Chossudovsky, America’s War on Terrorism, GlobalResearch, Montreal, 2005, Chapter 2)
自国製テロリスト
23.The Terrorists R US: アメリカが、イスラム国の口に出せない生みの親であるにもかかわらず、オバマの神聖な命令は、アメリカをISILの攻撃から護ることである。
24.自国製テロリストの脅威というのは作り話である。それは、西側政府とメディアによって、市民の自由を取り上げ、警察国家を樹立する目的で宣伝されているものである。ジハーディストと言われるものによるテロ攻撃と、テロへの警告は、常に企まれた出来事である。それらは恐怖と脅しの雰囲気をつくり出すために用いられる。
これに対し、“イスラム主義テロリスト”の逮捕、裁判、宣告は、アメリカ祖国安全保障法と法執行機関の合法性を維持するものであり、それは次第に軍国主義化している。
その究極の目的は、何百万というアメリカ人に、敵は現実に存在し、アメリカ政府はその市民たちの生命を保護しているという考えを植え付けるためである。
25.イスラム国に対する“反テロリズム”キャンペーンは、イスラム教を悪魔のように見せることに貢献してきた。彼らは西側の一般の目には、ますますジハーディストと一体化するようになった。
26.誰でも“テロへの地球的戦争”の正当性にあえて疑問を呈する者は、テロリストと烙印を押され、反テロリズム法に問われることになる。
“テロへの地球的戦争”の究極の目的は、市民を抑圧し、アメリカの市民生活を完全に非政治化し、人民が考えたり概念化したり、事実を分析したり、アメリカを支配している疑わしい社会秩序に疑問を抱いたりするのを、妨げることである。
オバマ政権は、国連安保理の共犯的な役割は言うにおよばず、その同盟国の支持を得て、ある悪魔的な全体合意を押し付けている。西側メディアはその合意を受け入れている。メディアは、イスラム国を一つの独立した存在、西側世界を脅かす外なる敵と位置付けている。
大ウソが真理になった
この“大ウソ”に否を突きつけよう。メッセージを広めよう。真理は究極的に強力な武器である。